2021.07.20

私たちが生きていくために必要な「水」。カヌーでの航海では、どのくらいの水を積み、どのように使用しているでしょうか?

私たちが生きていくために必要な「水」。カヌーでの航海では、どのくらいの水を積み、どのように使用しているでしょうか?

航海に欠かすことができないのが「水」です。
水は私たちが生きていくために、欠かすことができないもの。
航海カヌーでは、一体どんな風に水を使っているでしょうか?

1日どれくらいの水を使ってる??

みなさんは、普段、1日どれくらい水を使っていると思いますか?
航海カヌーには、水を1人1日あたり約3リットルを積んでいます。
1日あたり3リットル、多いでしょうか?少ないでしょうか? 
ちなみに、日本では1人1日あたり、平均で約300リットルもの水を使っていると言われています。
トイレを一度流すと10リットル、シャワーを1回浴びるのに60リットル、洗濯をするのには40リットルもの水を使っています。

水というと、飲んだり食べたりするイメージが強いかもしれませんが、実際に私たちが普段使っている水は、お風呂やトイレ、炊事や洗濯のために使われるのがほとんどで、食事や飲み水として私たちの身体に入るのは、たった2%ほど(3~5リットルぐらい)です。
内訳でみると、次の通り。


出典「日本の水資源 平成26年版」(国土交通省)

航海中、積み込んだ1日1人当り3リットルの水は、食事と飲み水のためだけに使うので、決して無理なく過ごすことができます。
食器を洗ったり、洗濯したり、からだを洗ったりするのには、すべて海水をくんで使います。
使った海水はすべてそのまま海に流すので、では生分解(自然に分解して海をよごさない)する特別な石けんを使っています。

*カヌーの上で水を使っている写真(ポリタンク)
*カヌーで身体を洗っている写真

水はどうやって運ぶ??

さて、1日1人当り3リットルといっても、それを人数分、さらに航海の日数分用意するとなると、かなりの量になります。航海が長引く可能性もあるので、少し多めに積む必要もあります。航海の前に、真水をポリタンクに積んで用意します。

*ポリタンク水の準備の写真

ポリタンクなどがなかった昔は、水の代わりにココナッツの実を積み込んで航海に出ていたといわれています。ココナッツの実の中には水分がたっぷり入っていて、飲み終わった後は、殻を乾燥させて燃料にすることもできます。

地球上にはどれくらいの水があるの?

「水は限られている」ということが、積み込んだ分しか水のない航海カヌーでは、とても分かりやすいです。

蛇口をひねれば水が出てくる暮らしでは、水は無限にあるように感じるかもしれませんが、地球上にある水をすべて一カ所に集めると、なんと、たったこれくらい!

上の図の大きな水の球は「海水」の量を表しています。地球上に存在する水のうち、97.5%が「海水」です。海水はそのままでは、飲み水や生活用水として利用することができません。人間が利用できる「淡水」は地球上の水の総量のたった2.5%ほど。大きな水の球の右にある小さな球がその「淡水」の量を表しています。淡水のうち約70%は、南極や北極地域の氷雪で、残りの大半は地下800mよりも深い地層にある地下水で簡単に取水することもできません。

人が実際に利用できる淡水は、地中のごく浅い所にある地下水か、川、湖、沼など地表にあるものだけ。地球全体の水でいうとたった0.02%程度、上の図の右の球の下に見える小さな点がその量を表しています。

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